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12月の塾通信
*2020年(現在中3生から)に大学入学共通テストが変わります。現在のセンター試験はすべてマークシートで、誘導で答えられる問題や、勘でできるものもありましたが、新しく記述が導入されます。この改革の大きな変更点は、思考力・分析力をつけて表現する力が求められていることです。
例えば、国語の場合は、問題の素材が今までのような評論や小説などではなく、契約書などの非連続な文章で構成されているものや、それらについて会話している文章などがモデル問題として挙げられています。これまでの「センター試験」では見られなかった目新しいものです。
数学では、自分で文字を設定して求める値を考えていくなど、数学的視点を多角的に養うことが求められています。解法パターンを覚えるのではなく、なぜ、そのような解き方をするのか、なぜ、ここでこの公式を使うのかなど、式や図の持つ意味、定理・公式の有用性をしっかりと理解することが、これまで以上に重要になります。
思考力とは学校の勉強だけでなく、広い意味で「課題を見つけて解決する力」だと思います。その思考力をつけるには数学が一番だと自信をもって言いたいです。将来役に立たない数学をなぜやらなくてはいけないのかと言う生徒がいます。確かに因数分解や図形などが将来、直接役に立つことはないでしょう。しかし、方程式を考え、関数を理解して、あれこれ試行錯誤しながら、思考力を身に着けているのです。脳の訓練をしているのです。
思考力・分析力は中・高で数学を学ぶことで鍛えられるのです。
新しい問題の説明を受けて、解いてみて、いろいろなパターンについて考えて、間違えを修正しながら、徐々に思考を深めていく…こういう訓練ができるのが数学という教科です。一般に暗記科目と言われている英語や社会なども、思考力が育つと、考えながら暗記し、理解しながら整理することができるようになるので、「丸暗記」とは違って忘れにくくなるので、文系にも必要な力です。
*塾というのは、藩校や寺子屋から始まってずっと集団授業が主流でした。学校で習ったことを、ポイントを絞り直して再度学習してきたのです。しかし、ゆとり教育と少子化に伴い、学校の集団授業と同じ形では「何度やってもわからない」あるいは「易しすぎてつまらない」という両端の生徒が出てきました。それに対応するために「少人数・個別指導」が増えてきました。「きめ細かい一人一人に合った授業」が行われ確かに効果がありました。しかしその反面「先生に頼りすぎる・言われたことだけはできる」という弊害も指摘されるようになりました。
様々な研究から、学力を定着させるには自主学習が一番だと言われています。STARTUPで、授業・解説は約3分の1にして、大部分の時間をテキストやプリントの演習時間に充てているのはそのためです。理解したことを自分でやってみて、できないところの説明を受けて、またやってみる、この繰り返しが学力定着の近道なのです。わかった時の喜びを何度も体験すると、さらにやりたくなり学ぶことが好きになります。「勉強が嫌いだ」という生徒はまだまだ勉強量が足りないということです。