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1月塾通信-問いを発する
*新しい年を迎えるたびに、今年は? 3年後は? 10年後は? 生徒たちを取り巻く環境がどうなっているのだろうか、と考えます。
長きにわたる不況に加えて、コロナの影響が多く、頑張って勉強して志望校に入ったのに、多くの若者が、やりたい仕事に就けない、生き甲斐が感じられない、幸福感が得られない、先が見えない・・・などという時代が続いています。勉強でも、スポーツでも、習い事でも、趣味でも、継続して頑張れば満足感が得られて結果が残せるのだ、と言って、子供たちを励ますことができた時代は終わってしまうのでしょうか。そんな展望のない世の中になっていかないように、大人ができることは何なのでしょうか。
10年後には、今ある職業のうち、運転、事務、調理、組み立てなどの仕事の80%以上は、人間に替わってAIが担うようになるだろうと言われています。人間に残るだろうと言われている職業は、専門職や想像力・創造力を必要とする職業、情報を取捨選択してまとめる能力などだそうです。
創造力のある人や革新的なリーダーは一般の人に比べてはるかに問いの数(特に現状に異を唱える問い)が多いそうです。では「子どもの自立心を育てるにはどうすればいいのか」「問いを発する人間になるにはどうすればいいか」
これについて、今話題のイーロン・マスクのインタビューがあります。問いを変えなければ、いつまでも同じ道を進み続けるだけで、飛躍は望めない。まちがった前提を徹底的に取り払って、そして疑う余地がまったくない真実の層に達したら、そこからアイデアが練り始められる。マスクはそのわかりやすい例として、テスラが参入した自動車業界の話をしていました。
「現行では軽量アルミホイールを取りつけると、1個につき500ドルかかるが、素直にそんな額を払うべきなのか。変だと思いました。だってアルミの値段は1ポンド当たり2ドルぐらいなものです。ホイールの重さは25ポンドですから、50ドルにしかなりません。加工の費用もかかるっていうなら、倍にしましょう。それでも100ドルです。500ドルっていう値段はありえません」
現状を見直して、まず疑ってみる、何故なのかと問いを発してみる、そういう思考回路を獲得するために、学習があります。中学~高校の勉強はその思考回路を身につけるための訓練期間です。知識はそのあと、いくらでも増やすことができます。様々な分野を学習することによって、学生時代に自分なりの思考方法を模索してほしいと思います。